PA機材とは何か?仕組み・具体的な機材例までを徹底解説します!

PA機器とは何か?

PA機材とはなに?

PAとは、Public Address(公衆伝達・大衆伝達)の略称です。音を増幅させて公衆に届けることを意味します。コンサートやイベントでは広い場所に多くの人が集まるため、地声だけでは遠くにいる人まで声を届けることは難しいですよね。そんなときに必要なのがPA機材です。

PA機材は、PAに必要なマイクやスピーカーのことを指しますが、それぞれどんな特徴があるでしょうか?

PA機材の構成

PA機材は主に、マイクで音を拾い、ミキサーで音を集めて調整、アンプで音を増幅させたのち、スピーカーで音を出力するという構成になっています。また、電源から各機材までのケーブルを必要に応じて保護します。

1.マイク

マイクは一番身近なPA機材と言えると思います。歌を歌ったり演説をしたりといったイベント用途だけではなく、いまや日常生活に欠かせないアイテムとなったスマートフォンにも内蔵されているので、無意識のうちに使っている方も多いでしょう。

マイクは、マイクロフォン(microphone)の略で、人の声や楽器の音を電気信号に変換する装置です。マイクには、原理、指向性、用途の違いにより、多様な種類があります。

【 原理 】

マイクは人の声や楽器の音を電気信号に変換する装置と説明しましたが、その変換方法(原理)にもいくつか種類があります。よく比較されるのはダイナミックマイクコンデンサマイクです。

ダイナミックマイク

マイク本体に内蔵された振動板が音(空気の振動)に反応し、振動板に取り付けられたコイルが振動を電気信号に変換。電源が不要で直接ミキサーやスピーカーに差し込めば音が出る。耐久性が高く比較的安価なものが多い。小さな音や高音を拾いにくい。

マイク
コンデンサマイク

マイク本体内部に振動板と固定電極を設置し、外部から電源を供給することで電極間に電気を蓄える。音(空気の振動)によって振動板が動くと電圧が変化し、音を電気信号として取り出すことができる。外部から電源を供給するため、別途ファンタム電源が必要。衝撃や湿気に弱く比較的高価なものが多い。小さな音や高音も拾うので、レコーディング等に最適。

【 指向性 】

どの方向からの音を集めるのか、どの向きからの感度がいいのか、といった特性を表すものです。主に単一指向性、全指向性(無指向性)、双指向性(両指向性)の3つがあります。

単一指向性

マイクの正面からの音に対して感度がよいもの。後方の音は拾いにくい。ボーカルや楽器など、単独で音を拾う用途に使われる。

双指向性(両指向性)

マイクの前方・後方からの音に対して感度がよいもの。側面の音は拾いにくい。デュエットや対談など、向かい合う二方向から音を拾う用途に使われる。

全指向性(無指向性)

360度すべての方向から均等に音を拾う。楽器演奏では、広いスタジオであえて周囲の音を拾うことで臨場感を演出する「アンビエント」(部屋鳴り)に使われることもある。

【 用途 】

コンサート、会議、テレビ番組、ラジオ、動画配信など、マイクが使われる現場は多岐にわたります。たとえばコンサートでよく使われるのは固定型のスタンドマイクや、頭部に装着するヘッドセット。テレビ番組では小型のピンマイクが出演者の衣服の胸のあたりにつけられているのを目にしますよね。

ヘッドセット

こうした様々な形状のほかに、先に記載した原理や指向性の違いもあわせて、用途に合ったマイクを選ぶことが必要です。

2. ミキサー

ミキサーは、マイクや楽器、CDなどから入力された複数の音を混ぜて、聞きやすいようバランスを調整しスピーカーに出力する機械です。

ミキサーには大きく分けてアナログミキサー、デジタルミキサー、パワードミキサーの3種類があります。

ミキサー

アナログミキサー

入力された音声信号をアナログのまま処理する。ひとつの機能にたいしてひとつのツマミで操作するためシンプルで扱いやすい。デジタルミキサーよりも安価。ノイズの影響を受けやすい。

デジタルミキサー

入力された音声信号をデジタルに変換して処理する。ひとつのツマミで複数の機能を操作できるためコンパクト。アナログミキサーよりも高価。ノイズの影響を受けにくい。

パワードミキサー

パワーアンプを内蔵したアナログミキサー(通常のミキサーは別途アンプが必要)。

ミキサーが行っている「調整」とは具体的にどんなものがあるでしょうか?その機能をいくつか簡単に紹介します。

イコライザー

特定の周波数帯ごとに補正をする。高い音を増幅させたり低い音をカットしたりすることによって音質を調整する。

コンプレッサー

音を圧縮して音圧を上げる。適切な音量に揃えて聞きやすくする。

パン

右・左・真ん中など、スピーカーのどの位置から音を出すかを調整する。

エフェクト

リバーブ(残響感の演出)やディレイ(やまびこ効果)などの効果をつける。

フェーダー

各チャンネルの音量の調整をする。(ミックスされた音がスピーカーに出力されるときの最終音量はマスターボリュームで調整する)

3. アンプ

アンプの主な役割は、ミキサーから送られた電気信号を増幅させること。音源から発せられる電気信号はとても小さいので、そのままでは大きな音を出すことはできません。アンプが電気信号を増幅させてスピーカーに送ることで、スピーカーから大きな音を聴くことができるようになるのです。

電気信号を増幅させるアンプを「メインアンプ」、音質や音量の調整、音源の切替などを行うアンプを「プリアンプ」といいます。2つを複合させた「プリメインアンプ」もあります。

なお、家庭用のオーディオ機器では、スピーカーにアンプが内蔵されていることが多いです。

アンプ

4. スピーカー

アンプから送られた電気信号を人が聞き取れるよう再び音に戻すのがスピーカーです。スピーカーもまた、用途や設置条件に応じてさまざまな種類があります。

パッシブスピーカー

アンプが内蔵されていないので、別途用意するアンプとの組み合わせによって音質を追求できる。

アクティブスピーカー(パワードスピーカー)

アンプを内蔵しているので、別途アンプを用意する必要がなく、ミキサーから直接つなぐことができる。

メインスピーカー

聴衆に向けて設置されるスピーカー。聴きやすいよう調整されている。収容人数や会場の規模に合うものを選ぶ。

モニタースピーカー

聴衆に向けてではなく、音を出す人(楽器なら演奏者)に向けて設置されるスピーカー。発せられる音を正確に確認するために使われる。

スピーカー

5. ケーブルプロテクター

PA機材を使うには電源が必要です。多くの家電が部屋のコンセントから家電本体までケーブルで繋がれているように、電源からPA機材までもケーブルで繋がれています。

建物の中であれば基本的に、壁にコンセントが備えられていますが、屋外ではどのように電源を調達したらよいのでしょうか?主につぎの4つの方法があります。

①近隣施設から電源を借り、延長コードで引っ張ってくる
②ガソリン式発電機を使う
③ポータブル電源を使う
④イベント用の電源車を借りる

いずれの場合も、電源からPA機材まで数メートルは離れてしまいます。また、スピーカーやマイクはミキサーから離れていることが多く、スピーカーケーブルやマイクケーブルを地面に這わせることになります。

歩行者の通行や台車の通行、屋外で車両の通行がある場所にケーブルを這わせる際は、踏みつけたり引っかけたりしないようケーブルを保護します。ケーブ ルを保護する製品は、ケーブルプロテクター、ケーブルガード等と呼ばれています。屋外はもちろん屋内のコンサート会場でも使用されています。

強化型ケーブルプロテクターどこでもケーブルワイド収納タイプ・プロPW-3PRO

ケーブルプロテクターの種類や特徴についてはこちら

→ 強化型ケーブルプロテクターどこでもケーブルはこんなときに使える!
強化型ケーブルプロテクターどこでもケーブルワイド収納タイプ・プロPW-3PRO

コメントは受け付けていません。